26・27年度研究                           
テーマと概要 研究員
<テーマ> 自分の考えを明確にした「書くこと」の指導に関わる研究
       〜「課題設定と取材」「構成」の力を育てる〜
 平成25年度に行われた「全国学力・学習状況調査の調査結果」の本市の分析結果を見ると、小学校においては、「文と文の意味のつながりを考えながら、接続語を使って内容を分けて書くこと」「目的や意図に応じ、必要な内容を適切に引用したり複数の内容を関係付けたりしながら、自分の考えを書くこと」に、中学校では「課題を決め、それに応じた情報の収集方法を考えること」について課題があり、ともに改善を図るべきこととしている。また、実際の授業においても学年が上がるにつれて、書くことに対して抵抗感をもつ子どもが増えているという実感をもつとともに、伝えたいことの明確な文章を書くことに難しさがあることを感じている。
 小中9年間の学びを終える時点で、子どもたちが様々な場面や目的に応じ、伝えたいことを工夫して書き進められるようにしたいと考える。そのためには、子どもたちの書くことへの意欲を育てること、子ども自身が「自分にも書けそうだ」という見通しを持てること、つまりこのように書けば自分の考えが伝えられるという方法が自分の中に蓄積されることが必要である。
 本研究では、自分の考えを明確にして文章を書くことができるようにするために、指導事項の「課題設定と取材」「構成」に焦点を当てて研究を進めていく。まず、目的や意図に応じて書く事柄を集め、整理し、伝えたいことの輪郭をはっきりさせる。その上で、自分の考えを伝えるための文章全体の構成を考えられるようにする。また、書く力を育てるために、身に付けさせたいこれらのことを繰り返し学習し、定着させ、発達段階を考えた小中学校での指導の系統性にも留意して、研究を進めていきたいと考える。
小学校教員
2名

中学校教員
2名
<テーマ> 自他の違いや良さに気づき、
       人との関わりを大切にする子どもの育成に関する研究
       〜参加体験型の活動を通して〜
 各学校においては、関わるすべての人の人権が尊重され、学校の教育活動全体を通じて教職員が組織的・計画的に人権教育を進めることがのぞまれている。それによって子どもたちが「自分の大切さとともに他の人の大切さを認めること」ができ、安心して健やかに学校生活を送ることをめざしている。
 しかし、「平成26年度全国学力・学習状況調査児童・生徒質問紙」の回答からは、自分に自信が持てず、自分や友達の良さを認めることができない子どもも少なくないことがうかがえる。また、教職員が人権教育は大切であると認識しながらも、実際にはどのように進めていったらよいのかわからない現状もあるのではないだろうか。
 本研究では、自他の違いや良さに気づき、人との関わりを大切にする子どもを育成するために、人権尊重の理念のもと、教育活動全体を通して意図的に子どもの人権感覚を高める指導をしていく。主に「さがみはらの子どもの生活体験調査及び分析」から子どもたちの現状を把握し、短時間の参加体験型ワークやアクティビティを継続的に実践していくこととした。行動観察や「子どもの社会的スキル横浜プログラム」などから、子どもたちの自己肯定感や自己有用感、学級の所属感について変容を検証し、効果的な人権教育の内容や進め方について研究していく。
小学校教員
2名

中学校教員
2名
<テーマ> 学校と地域の連携・協働に関わる研究
       〜「地域を想う子ども」の育成をめざして〜
 文部科学省は平成23年度に「学校・家庭・地域の連携による教育支援活動促進事業」を創設し、地域の参画・協働による様々な教育活動の支援に乗り出した。また同年行われた学習指導要領の改訂においては、ESD(持続可能な開発のための教育)の考えが盛り込まれている。これらのことは各学校段階において地域・社会を構築するための担い手づくりをめざす、具体的な学習活動を一層強化していくことを示していると言える。
 平成25年度に行われた全国学力・学習状況調査の質問紙調査の中で「保護者や地域の人の学校支援ボランティア活動は、学校の教育水準の向上に効果があった」と回答している学校の割合は、小学校・中学校とも非常に高い。しかし、「地域や社会をよりよくするために何をすべきか考えることがある」と回答した児童生徒の割合は低く、学校現場において地域資源を活用することや、地域との関わりを持つことはできているものの、子どもの地域への関心、とりわけ自分たちの地域の未来を考える「持続性」は高くない現状が伺える。
 そこで本研究では、学校と地域の連携・協働において、持続可能な地域・社会を構築するための担い手づくりをめざすこととした。自分の地域を愛する「心」を持つとともに、地域のよりよい未来を考える「力」を持った子ども(=「地域を想う子ども」と呼ぶ)を育てることがねらいである。
 そのために、まず研究員の勤務校において地域に対する子どもの意識を把握するとともに、これまで行われてきた各校の実践事例や、地域資源(ひと・こと・もの)を整理し、それぞれの地域にあった連携・協働の形を明らかにすることとした。そのうえで、現在の環境や実施されている活動の中で、子どもの地域への関心や愛着を高めるための工夫や、地域の未来を考える力を養うための手立てを研究していきたい。
小学校教員
2名

中学校教員
2名

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