28・29年度研究                           
テーマと概要 研究員
<テーマ> タブレットPCを効果的に活用する授業づくりにかかわる研究
〜深い学びを実現し思考力、判断力、表現力等を育成するICT活用の視点〜
 平成28年12月に中央教育課程審議会より出された次期学習指導要領に向けた答申の中で、資質・能力を児童生徒に育成するためには「主体的・対話的で深い学び」が重要であり、ICTの特性・強みがその実現に大きく貢献すると言われている。
 しかし、神奈川県の教員のICT活用指導力は全国平均を下回っており、本市も同様の課題を抱えている。そのため、タブレットPCをはじめとしたICTを効果的に活用した授業づくりの仕方について探る必要がある。
 そこで、ICTの効果的な活用の事例を調査したところ、次の2つのことが浮かび上がった。
 @主体的・対話的な学びに効果な活用事例は全国的に報告されているが、深い学びを達成する活用事例の報告 は少ないこと。
 A資質・能力の3つの柱のうち、ICTを活用した知識及び技能や学びに向かう態度の育成は全国的に報告されて いるが、思考力・判断力・表現力等の育成の事例の報告は少ないこと。
 これらのことから、タブレットPCを活用した授業づくりについて、特に、深い学びを実現するICTの活用について、思考力・判断力・表現力等を育成する授業づくりの視点から研究することとした。
小学校教員
2名

中学校教員2名
 <テーマ> 子どもの体力の向上に向けた指導のあり方にかかわる研究
 平成28年度「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果によると、小学校及び中学校ともに女子のテスト種目の合計点が、平成20年度の調査開始以降、最高値となった。小学校男子は、悉皆調査となった平成25年度以降あまり変化が見られないが、中学校男子は、最高値であった平成24年度に近い値となるなど、子どもの体力・運動能力は少しずつであるが上昇傾向を続けていることが分かる。しかし、子どもの体力がピークだったと言われる昭和60年頃と比較すると、多くの項目で依然として下回る結果となっており、特にボール投げは低下傾向を示している。
 また、本県においても全国と同様に、全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果は、緩やかな上昇傾向にあるものの、依然多くの項目において全国平均値を下回る結果となっている。
 本市においても全国体力・運動能力、運動習慣等調査の経年変化を見ると、合計点の推移では緩やかな上昇傾向を示しているが、平成28年度の結果、多くの項目で、全国平均値を下回った。特に、ソフトボール投げや反復横跳びについては、全国平均値との差が顕著であることが分かった。8つのテスト種目のうち、ソフトボール投げは巧緻性、反復横跳びは敏捷性をみる調査であることから、本市の子どもたちは巧緻性や敏捷性の能力が低いことが一つの課題であると考えた。
 体力は、身体的な要素と精神的な要素に大別されるが、本研究では、低下している体力をその中の「運動をするための体力(行動体力)」のうち「調整力(行動を調整する力)=巧緻性・敏捷性・平衡性」として捉えることとした。
 そこで、特に巧緻性や敏捷性を高め、身体をスムーズに動かすことができれば、子どもの体力向上につながると考え「巧緻性」「敏捷性」に着目した体育科の学習指導のあり方について研究を進める。
小学校教員
2名

中学校教員
2名
<テーマ> 考え、議論する特別の教科道徳のあり方にかかわる研究
 平成27年3月、学習指導要領が一部改正されたことにより、小学校では平成30年度、中学校では平成31年度から「特別の教科道徳」が実施される。発達の段階に応じ、答えが一つではない道徳的な課題を一人一人の児童生徒が自分自身の問題と捉え、向き合う「考える道徳」「議論する道徳」への転換が求められている。
 平成24年度の「道徳教育実施状況調査」の結果によると「年間指導計画にねらいの項目を設定している」と回答した学校が約80%あるのにも関わらず「指導の効果を把握することが困難である」と回答した学校が半数もある。道徳の時間において、授業のねらいが道徳的諸価値の理解の深まりを見取ることができるように設定できていないのではないか。そして、ねらいに対して学習活動が適切につながっていないのではないか。以上のことが全国的な調査から道徳の授業の課題として見えてくる。
 そこで、児童生徒の道徳性の変容を捉えるためには「多面的・多角的な見方へと発展しているか」「道徳的価値の理解を自分自身との関わりの中で深めているか」などの評価の視点として設定することが必要であると考える。ねらいに対する学習活動をつなげていくための授業づくりについての研究を行うこととした。本研究では、思いやりを重点的に指導する内容項目と設定し、一単位時間の授業ではなく長い期間で児童生徒の道徳性の変容を捉えることの重要性を示していきたい。
小学校教員
2名

中学校教員
2名

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