研修視察 2011

県立総合防災センター 研修視察の様子です。

日時
2011(平成23)年  9月15日(木)
場所
神奈川県立総合防災センター
参加者

相事研会員 23名

相事研の研修視察で、神奈川県厚木市の県立総合防災センターに行ってきました。
入り口を入ると、防災センターのマスコットキャラクター防災ファミリーの一家が出迎えてくれます。
パネルの後方にあるのは、オート三輪の消防車です。実際に使われていたものが展示されていました。

こちらは「スペースオアシス小惑星・かながわ」といい下から見上げる(入り口を入ってすぐ頭上にあります)と金属色の小惑星に見え、上から見下ろすと神奈川県があります。

展示スペースには日本の消防用具の歴史が、年表とともに紹介されています。

見学開始時間になり、総合防災センターの紹介ビデオと案内係の方から見学の流れなどを
話していただきました。

まず最初は場所を移動して、防災映画(30分程度)を視聴しました。
この映画は阪神淡路大震災に被災した方々の体験をもとに、普段からの備えと心構えなどが本人の肉声で語られています。
当日はモニターの不調で鮮明な映像では見ることが出来ませんでしたが、実際の体験に裏づけられた「備え」には真実味がありました。

ちなみに災害においてまず必要なものを、この映画をもとに挙げると
1,懐中電灯・・・視野の確保
2,靴(スリッパなど)・・・足のケガ防止
3,バール・・・出口の確保(地震で建物がゆがむと、ドアが開かなくなるため)
4,アドレス帳と小銭(10円玉)・・・安否確認用ちなみに公衆電話は停電時に100円玉は使えません。
また最近では携帯電話が普及し、災害時伝言サービスなどもあります。公衆電話が減っている現在は、そちらのほうが現実的かもしれません。

続いて、地震体験コーナーです。

関東大震災や阪神淡路大震災、また今後予想される大規模地震などを体験することが出来ました。
それぞれ交代で部屋を模したシミュレーターに入り、事前の指示通り行動するのですが、頭でわかっていても揺れる中ではうまく動けないことを改めて認識しました。

またシミュレーターでは横揺れのみでしたが、実際は縦揺れもあるため体験以上ものであったそうです。

地震の次は風水害体験コーナーです。

当日は風害のみ(風水害が体験できるのは日・祝日の午後3時15分から3回)で、最大風速30メートル/秒の世界を体験しました。説明によると風速30メートル/秒では、大人でも飛ばされてしまうほどの風量なのだそうです。

シミュレーターの中で立っていられるのは安全バーがあることと、風が一方方向に吹いているからです。
ちなみに真っ正面から風を受けた場合、呼吸が困難になりました。それも貴重な体験になりました。

続いて、消火体験コーナーです。

消火器を使って初期消火を行いました。
3回行って3回とも消火することが出来ましたが、うまく消えない場合もあるそうです。
ちなみに消火器の噴霧時間は約16秒であり、その短い時間で確実に消火するためには炎ではなく火元に向かって吹きかけるのがコツだそうです。

また、初期消火が可能なのは炎が上がって天井に達するまでの間だけということも聞き、改めて火事の
恐ろしさを認識しました。

消火体験の後は煙避難体験を行いました。
デパート等の大きな建物内での出火という想定で、薄暗い通路(迷路)の中を安全に避難するという体験でした。 煙を避けるために、姿勢を低く(90cm以下)かがんで通路を進んでいきます。

照明が落ちた通路には「非常口」の表示と、小さく聞こえる館内放送が避難方法を伝えており、それをたよりに避難を行いました。途中には扉が熱くなっている部屋があり、これは内部が燃えている可能性があるため開けてはいけないという説明がありました。

地震、風水害、そして消火活動と煙避難の体験をして全体での行動は終了しました。
その後は各自で設置されている「防災Q&A」や「通報体験」また展示資料などを見て回りました。

家の模型で災害時に危険な箇所を指摘するものや、神奈川県の災害の歴史。また防災用品が展示・紹介されていました。

その他にも3/11の東北地方大震災のパネルが展示されていました。

今回の研修視察は、大震災を体験した後(現在も経過中ですが)だからこそ身にしみるものでした。

家庭における防災はもちろんですが、職場においても防災対策に関してこの体験を活かしていきたいと強く感じました。

なお総合防災センターは、神奈川県が震災等に見舞われた際には、その地域の災害対策における基地拠点に定められており、そのための備蓄や、設備などが備えられているということです。

また、消防学校が併設されていて、研修視察の当日も熱心な訓練が行われていました。